複合材料への応用

現在、炭素繊維と呼ばれる物質は数多く存在し、それを用いた複合材料は幅広い分野で使用されている。

 複合材料は母材(Matrix)と強化材(Filler)から構成され、母材には主に金属・樹脂・セラミックスが用いられ、強化材には炭素やガラス・セラミックス、金属などさまざま材料が用途に応じて用いられている。炭素繊維を強化材として用いた場合、一般に軽量で高強度、高弾性になるといった特性を示すことが知られている。 複合材料として広く用いられているものには母材に樹脂、強化材に炭素繊維を用いた炭素繊維強化樹脂(Carbon Fiber Rein-forced Plastics: CFRP)がある。この他の複合材料として、母材に金属を用いた炭素繊維強化金属(Carbon Fiber Rein-forced Metals: CFRM)、及びセラミックスを用いた炭素繊維強化セラミックス(Carbon Fiber Rein-forced Ceramics: CFRC)が挙げられる。

多層カーボンナノチューブ(MWCNT)のTEM画像

 炭素繊維強化複合材料の応用としては、航空宇宙分野やテニスラケット・ゴルフクラブなどのスポーツ用品、更に土木建築に至る迄、実に広範囲に及んでいる。

 現在は複合材料の機械的特性を生かした応用が広く展開されているが、本研究室では、複合材料の熱的特性に着目して研究を行っている。CNTや種々の炭素繊維が高い熱伝導率を示すと言われることから、これらを用いて複合材料を構成することで放熱材料としての利用が期待される。


熱伝導率の比較

 母材、及び強化材の炭素繊維の選択、混合割合、及び加圧機による印加圧力等、多岐に渡るパラメータの最適値を検討することで、高熱伝導率の実現を試みている。