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Nano-Carbon Characterization

カーボンを分類
カーボンをもっと深くを知るために

カーボンの中にはグラファイト,ダイヤモンド,活性炭,ナノカーボンなどがあるのですが,全てがカーボンというたった一つの元素によってつくられています.ということはカーボンの原子の並びやつながりが幅広いカーボンの機能をつくっているといえます.ふつう,結晶では決まった原子の並びとつながりが立体的に繰り返されています.そのため,繰り返されている部分さえ特定できてしまえば,どのような原子がどこにあるかを知ることは簡単です. ところがカーボンはいろいろなカタチを取ることができるため,どこにカーボンの原子がいるのか,この分析が簡単ではないのです.そのため「どう調べて違いをみつけるか」これも研究対象になります.

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ナノチューブって1つじゃないの?

研究をしていると「ナノチューブを使いました」という学生がいます.しかしナノチューブはカーボンのカタチだけを意味しており,ナノチューブの中にも様々なものあります.簡単なところだとチューブが1層だけの「単層チューブ」といくつかのチューブがマトリョーシカの様に入れ子状になっている「多層チューブ」があります.これらは研究設備のページにて説明をしてある透過型電子顕微鏡という装置を使うことによって簡単に見分けることができます.ほかにもどんなナノチューブかを知るためには基本的なカタチの情報となる直径と長さがあります. …とこれまでは,層数,直径や長さの平均値でナノチューブの機能について説明をする研究が多かったのですが,高い品質のナノチューブが手に入る現在ではそれらの分布もナノチューブの機能に影響をあたえると考えられます.この分布がある,というのがとても難しいのです.平均値では同じにみえても分布の違いで機能が変わってしまう場合は,どれくらい同じか,はたまた違うかをきちんと数字を使って調べなければなりません.ナノチューブは発見されて40年程度がたっていますが,未だに使う上での問題があるのです.

どれだけカーボンは完璧なのか

それではカタチがもっとシンプルなグラフェンはどうでしょうか.グラフェンの場合は層数や直径等はないので,ナノチューブより進んだ議論ができます.とくにグラファイトをから誰でも理想的なグラフェンをつくることができるため,全ての人が同じグラフェンを研究できたためにグラフェン研究は飛躍的すすみました.ところが大きなグラフェンをつくるのはなかなか難しく,大きなグラフェンはグラファイトからはがしたものと比べてカーボン原子が抜けた「欠陥」が多いことが知られています.簡単にカーボンの原子が目で見えればカーボンの抜けを数えればいいのですが,原子は見るのも一苦労なのです.また何層か重なったグラフェンでは層同士が重なることによってどこに「抜け」があるのかはわからないのです.そこでHMLABでは光を使った新しい方法でグラフェンのカーボンの抜けを調べています.

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