カーボンナノチューブ・ファイバーは、高温で鉄などの触媒粒子に炭化水素などを反応させて生成することもできる。この方法は遠藤教授らにより発見された気相成長炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber : VGCF)の生成法に端を発している。
気相成長炭素繊維の生成法は、大きく分けて、 基板法と浮遊触媒法 の2種類がある。基板法は、金属触媒を基板に直接添付し、炉心管内に設置し、電気炉を用いて高温にし、炭化水素ガスを流入して生成する。
1.基板上に金属触媒を添付する
2.炉心管内に基板を設置する
3.炭化水素ガスを流入し、生成する
浮遊触媒法は、炭化水素ガスと金属触媒を一緒に高温下の炉心内部に流入させ、短時間の反応で生成する方法で、繊維の直径も比較的細いものができる。
反応管が一つでは触媒や炭化水素の気化などが一連であるためナノチューブなどの生成が難しい。それを解決するために、触媒の気化分解を一段目の反応管で行い、2段目の反応管でナノチューブやVGCFの成長を促すという2段階浮遊触媒法もある。