3.家庭用・災害用(CNF/PA-RO)
CNF/PA-RO membrane for household and disaster relief use
極超低圧・高透水セルロースナノファイバー(CNF)/ポリアミド(PA)複合RO膜によるPOU(Point of Use)浄水システム
市販の浄水システムは0.6-0.8MPaにポンプ加圧することで、比較的高い基本性能を有しているが、耐ファウリング性や耐塩素性が低く頻繁に膜交換が必要となる(POU用は薬品洗浄を実施しない)。
これに対して、当該膜は、表面に水酸基を多く持つセルロースナノファイバーをPA膜に最適に複合し、ポリスルフォン支持膜の孔分布構造を最適化することで、高い塩除去性と透水性を実現し、特に水道圧程度の極超低圧(0.2MPa)においてオフグリッドで十分駆動できることが特長。加えて優れた耐ファウリング性や耐塩素性といったロバスト性を具備しており、市販膜に比べて耐久性が高く長期間使用できます(2〜5年)。家庭用浄水器、災害・非常用、野菜果汁濃縮等に応用できる。
遠藤研究室が開発した極超低圧駆動(0.2MPa)RO浄水器の位置づけと浄水器の種類
従来RO浄水器とRO膜「La SourceSU」を用いた浄水器の比較
市販は汎用膜に対して、現地の状況に特化した膜を提供できる。
CNF/PA膜およびPA膜の耐ファウリング性評価・耐塩素評価
[CNF/PA膜およびPA膜の耐ファウリング性評価]
・CNFにより、ひだ成長が抑制されPAより小さい。
・CNFは膜中に高透水機能あるがPAはひだ大の必要性あり。
・CNFにより、膜表面電荷はマイナスとなりBSA(-)は反発して付着しにくい。
・CNFにより、膜表面に界面水があり汚れにくい。
CNF/PA膜およびPA膜の耐ファウリング性評価
[CNF/PA膜およびPA膜の耐塩素評価]
CNFがPA中によく均一に複合されて、三次元的にネットワークを形成されそれが骨格となりアミド基の切断を防ぐと考察される。
実証実験(ベトナム、タイ、中国、インド)
ベトナム、タイ、中国、インドにて、企業人、一般市民、学生66人に「RO膜について」インタビュー調査を実施現地調査。
「水道圧駆動RO膜はインパクトがありすぐ欲しい」「日本製RO浄水器が無くすぐ購入したい」「本物か疑いつつ使用してる」「いつも使っているのと比べてすごく水が出る」「市販品は短期間で汚れて使用できない」「水道水は信用できず自身で守るすぐ欲しい」「有害物混入が多く驚いた」「20万円以上の浄水器でも高機能なら買いたい」「日本製浄水器を現地の信頼できる店から買いたい」「現行RO浄水器と十分対抗できる」「RO膜を提供頂ければすぐ販売したい」など予想以上の反応で驚いた。
超高透水RO膜を用いた手漕ぎポンプのインドにおける実証試験