HMlab_logo

お問合わせ・アクセス
Water and Carbon

水環境とカーボン
膜だけじゃない-新しい淡水化・浄化-

人口の増加が進み,2050年には世界人口が1.3倍となる中で,豊かな生活を維持するために水の確保が必要になっています. 現代でも世界で22億人が安全な水を使うことができずにいます.また飲料水だけではなく,農業用水が十分に確保されない等で8億人以上が食料不足に悩まされています. そして経済の発展に必要な工業用水の排水時に行われる処理は環境に悪影響を及ぼすため,水を再利用する新たな技術が求められています. HMLABでは水問題の解決に力を入れており,HMLABの強みであるカーボンによる新たな技術の探求をしています.

water_graphene

カーボンは人類にとって必要不可欠な化石燃料や二酸化炭素に含まれている最も身近な元素です.馴染み深いものでは鉛筆やタイヤがあり,私たちの日常生活を支えています.

カーボンが様々な製品に含まれるのは,カーボンが様々カタチを持っているからです.最近では,この特徴を活かしてナノサイズでカーボンを規則的に並べたナノカーボンという分野が注目されています. HMLABでは,ナノカーボンの基本特性の理解やナノカーボンを用いた応用について研究しています. 実際に電子顕微鏡を駆使してナノカーボンを見たり,光を使ってカタチを調べて基礎特性を明らかにしています.また応用では,水環境や土木分野に向けた研究を盛んに行っています. ナノカーボンを利用した具体例としては太陽光を利用した海水淡水化カーボンを混合したモルタル作製などを行っています.

いる・いらないを分ける膜とカーボン

膜による濾過(ろか)は,海水から飲み水を得ることや水の汚れを取り除くことの出来る技術で,環境にやさしいなど様々な理由から使用や研究が広がっています. しかし,膜の耐久性が弱いことや膜が汚れやすいこと,そして膜の交換にお金がかかることなどが課題となっています. これらの問題を解決するためにカーボンの使用が検討されています. カーボンには,軽くて錆びない,耐久性に優れているなどの特徴を持つことから,膜濾過の分野にも広く使用されてることが期待でき,そのため基礎特性を調べています.

カーボンを使った新しい淡水化

HMLABでは地球環境にやさしく少ないエネルギーでできる海水淡水化技術を目指しています.最近は特に太陽光を利用した海水淡水化に力を入れています. 現在,海水淡水化技術の主流は蒸発法と膜法であり,多段フラッシュ法や多重効用法,逆浸透膜法などがあります. これらの海水淡水化技術には多量の精製水が得られることや,品質の高い淡水を得ることができるなどの利点がある一方で,エネルギー消費が大きいことや淡水化コスト高いことなどの欠点があります. そのため,小さな島国などではこれらの海水淡水化技術の採用が困難となっています.そこで,太陽光のみをエネルギー源として海水を蒸発させ,淡水を得る新技術の研究を行っています.

ページトップへ戻る